HOMEさいたまゴールド・シアターとは公演情報団員紹介公式ブログチケット
ゴールド・シアタートップページ > さいたまゴールド・シアターとは


 彩の国さいたま芸術劇場芸術監督蜷川幸雄が率いる、55歳以上の団員による演劇集団さいたまゴールド・シアター。この集団は、2005年11月、当劇場芸術監督に内定した蜷川が、就任後第一に取り組むべき事業として「年齢を重ねた人々が、その個人史をベースに、身体表現という方法によって新しい自分に出会う場を提供する」ための集団作りを提案したことに始まります。

 誰もが経験する“老い”を“演劇”に昇華させようと、プロの俳優とは異なる独自の創造性を発揮し、また、演劇界の枠を越え、日本の高齢化社会の有り様に問いかけるモデル・ケースとして、さいたまゴールド・シアターは結成当時から注目を集め続けています。

 2013年『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』で初の海外公演(パリ)に挑み、翌年は同作で2度目の海外公演(香港・パリ)に臨んだほか、国内も3都市(東京・豊橋・川越)を巡演し、3か国5都市のワールドツアーを成功させました。

※現在団員は65歳から90歳までの38名(2016年8月現在)。


 4月に彩の国シェイクスピア・シリーズ第30弾×さいたまネクスト・シアター第6回公演として上演された『リチャード二世』に32名が出演。礼服姿で車椅子に乗って登場し、さいたまネクスト・シアターの若者たちとタンゴを踊る幕開きは強烈なイメージを残した。彩の国さいたま芸術劇場の両輪を担う2つの集団が、世代の壁を越えて総力戦で挑み、シェイクスピア・シリーズに新たなダイナミズムを加えた。


 2012年から3ヵ年に亘って取り組んできた瀬山亜津咲との共同作業の集大成として、8月に劇団として初の本格的なダンス作品『KOMA'』を上演した。“タンツテアター”の手法を取り入れた創作過程ではゴールド一人一人の個性が引き出され、年齢を重ねた者ならではの身体表現で構成された舞台は、観客に老いることについての希望を抱かせるものとなった。
 11月から12月にかけては『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』を再演し、3ヵ国5都市を巡るツアー公演を行った。11月には、2年以上に亘りオファーを受けていた香港での公演が実現。2年に1度開催される「新視野藝術節 New Vision Arts Festival 2014」へ参加。帰国後は2009年以来2度目となる「フェスティバル/トーキョー14」へも参加。続く12月には、パリを代表する名門パリ市立劇場からの招請を受け、2年連続2度目のパリ公演、帰国後は愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場PLAT、埼玉県川越市の川越市市民会館での凱旋公演を行った。全5会場で8,000人以上の観客を動員。国内では「フェスティバル/トーキョー14」で追加公演を行うなど好評を博し、さらに海外2会場でも熱いスタンディングオベーションで受け入れられた。


 第6回公演にして劇団として初の海外公演と国内ツアー公演が実現。演目は2006年に中間発表公演“Pro-cess2”で発表した清水邦夫作『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』。今回は若手俳優集団さいたまネクスト・シアターも出演し、新演出による上演となった。
 5月に彩の国さいたま芸術劇場大稽古場で開幕後、フランスのパリ日本文化会館からの招請を受け、5月30日から6月1日まで3日間4公演を同会館で実施した。ゴールドならではのエネルギーに満ちた舞台は現地の観客、評論家から激賞を受け、その模様は日本でも新聞等で大きく報じられた。帰国後は同作品でKAAT神奈川芸術劇場、熊谷市の大里生涯学習センターあすねっとの2か所でツアー公演を行い、満員の観客に迎えられた凱旋公演となった。
 また、8月に「ザ・ファクトリー」の第3弾として瀬山亜津咲演出・振付による「ワーク・イン・プログレス(=創作段階の作品を試験的に上演する)」形式の公演を行った。昨夏のワークショップを踏まえ、演劇とダンスを融合させた、ピナ・バウシュの“タンツテアター”の手法を取り入れた作品づくりは、ゴールドにとってこれまでにない創作体験となったが、公演では個々の内面が反映された新たな身体表現を見せ、観客を驚かせた。


 2月から蜷川幸雄の演出補を務める井上尊晶の指導により稽古を開始。エチュード(習作)の課題として男性団員にはチェーホフの『白鳥の歌』、女性団員には清水邦夫の『楽屋』が与えられ、約5ヶ月の稽古を経て内部向けの発表会を開催したところ、蜷川が「面白かった。老いが演技に反映されるいい戯曲。ここで終わらせるのはもったいない。」と絶賛。さらに練り上げて一般に披露することになった。
 10月、既存のホールにとらわれず、自由な発想で劇場の中に新しい表現の場を見いだし、作品を発表する新シリーズ「ザ・ファクトリー」の第1弾として上演した。両作品とも本来は少数の俳優で演じられるが、井上の演出では、複数の俳優が一つの登場人物を演じることで、役の中にまったく異なる人物像が浮かび上がる。俳優それぞれの個人史が役に反映され、また、役を通して俳優それぞれの人生が垣間見える。ゴールドならではの表現に観客は感動を新たにした。
 また、7月には、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団の日本人ダンサー瀬山亜津咲を講師に迎え、ダンスのワークショップが開催された。男性には「男らしさ」、女性には「絶望から希望へ」というテーマが与えられ、全員が自ら動きを考えて構成し、瀬山の振付・構成による男女混合のダンスでは、指先まで神経を行き届かせた優雅な姿を披露した。「皆さんの内側にあるものを動きにしたものをダンスだと思っている」という瀬山の言葉どおり、ダンスという表現手段への新たな挑戦でありながら、その身体から滲み出る彼らの魅力を、また角度を変えて見ることのできる貴重なワークショップとなった。


 第1回公演で『船上のピクニック』を書き下ろした岩松了が、再びゴールド・シアターのために書き下ろした新作『ルート99』を12月に第5回公演として上演。基地問題に揺れる架空の島を舞台に、地元住民、基地内で働く人々、そして外部から来た劇団など複雑に人間関係が交差する本作。岩松戯曲ならではの美しいセリフ、ダンスや歌、さらには作品を締めくくる劇中劇まで、団員それぞれの個性が最大限に発揮される舞台となった。


 9月に第4回公演『聖地』を上演。本作は活躍めざましい気鋭の劇作家・松井周による書き下ろし。30代の松井が用意した劇設定は、安楽死法が施行され、老人が自ら死を選ぶことができるという近未来。死と向き合う高齢者たちの有り様をシニカルに描き出す群像劇で、ゴールド・シアターならではの実人生に裏打ちされた迫真の演技を魅せた。


 3月、世界のトップアーティストとともに、国際演劇祭「フェスティバル/トーキョー09春」に招聘され、『95kgと97kgのあいだ』を再演。6月には、ケラリーノ・サンドロヴィッチの書き下ろしによる第3回公演『アンドゥ家の一夜』を上演。台本の完成が遅れたこともあり、蜷川は、台詞の覚えられない劇団員の“老い”そのものを演劇として受け止め、本番に自らプロンプターとして参加。団員たちは、KERA独特のユーモアたっぷりに描かれた、“老い”てもなお悟りとはほど遠く、欲にまみれながら現実と奮闘する人々を演じきった。


 3月、第3回中間発表公演“Pro-cess3”『想い出の日本一萬年』(作:清水邦夫)、5月、第2回公演『95kgと97kgのあいだ』(作:清水邦夫)を上演。『95kgと97kgのあいだ』では、横田栄司、NINAGAWA STUDIOらを客演に迎え、総勢70名を超える異なる世代の俳優がたちが埋め尽くす迫力の演技が観客を魅了した。


 6月、1年間の成果発表としての第1回公演として、岩松 了書き下ろしによる『船上のピクニック』を上演。実人生が反映された独特のリアリティを群像劇の中に表現し、1年で俳優としての技術と存在感を身につけた団員たちの成果は高く評価された。


 2月、団員募集開始。07年から続々と定年を迎える団塊の世代の動向が社会的な注目を浴び始めた時勢を背景に、このニュースは広くマスコミで報じられ、当初20人の募集枠に1200名を超す応募があった。反響は日本全国にとどまらず、アメリカ・カナダなど海外からも届いた。当初、2日間の予定だったオーディションは、蜷川の「全員の選考に立ち会いたい」という希望により2週間に延長。応募条件を満たす全員を蜷川の目を通して選考することとなった。そして、4月21日、55歳から最高齢80歳までの48名が所属する「さいたまゴールド・シアター」が正式発足した。
 レッスンは週5日、演出・ダンス・日本舞踊・基本的な発声・ムーヴメントに加え、時代考証などの座学、そして殺陣といった特別レッスンが行われ、蜷川を筆頭に演劇の第一線で活躍する講師陣より受講。06年7月に中間発表公演『Pro-cess~途上~』、12月に第2回中間発表公演“Pro-cess2”『鴉よ、おれたちは弾丸をこめる』(作:清水邦夫)を行った。


財団法人埼玉県芸術文化振興財団