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彩の国さいたま芸術劇場 |

音楽

テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ『うつくしいまち』ダリオ・モレッティ インタビュー

2019年6月30日

 

夏休み、音と絵で
知らないまちを旅しよう!

 

イタリアで児童劇団を主宰する演出家でもあり、子どもたちの描く夢やファンタジーを題材に詩情豊かでコミカルな作品を創作する美術作家、ダリオ・モレッティ。
ユニークな創作活動で注目を集める音楽家の野村誠、やぶくみこによるユニット「テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ」が彩の国にやってくる!『うつくしいまち』とはどのようなパフォーマンスなのか、ダリオ・モレッティに話をうかがった。

 

協力◉並河咲耶 構成◉榊原律子 イラスト◉ダリオ・モレッティ Photo ◉Art Tower Mito

 

 

埼玉で感じたことをもとに描く
絵と音楽による
ライブ・パフォーマンス

 

――モレッティさんは、イタリアを拠点に児童向けの作品を作り続けていらっしゃいますが、本作『うつくしいまち』のプロジェクトはどのようにして始めたのでしょうか?

 

きっかけは、淡路島で、特産の瓦による音楽プロジェクトに参加したとき、日本の二人の音楽家――野村誠さん、やぶくみこさんと出会ったことでした。瓦や土を使った楽器の実験などを経て3人でたくさんの即興をしたのですが、彼らと一緒に創作することがとても楽しかったんですよ。というのは、何をしたいのか、お互いがそれぞれの手法を通じて分かりあうことができたからです。即興を重ねるうちに、絵・演劇・音楽という異なるジャンルが有機的に混ざり合うパフォーマンスのアイデアが生まれました。そして、絵と音楽が、空想の「まち」や「国」への旅に誘う『うつくしいまち』が生まれました。

 

――『うつくしいまち』というすてきな題には、どんな意味が込められているのでしょう。

 

このタイトルが生まれたのは偶然でして。いろいろな「まち」や「風景」を探していたら、その旅が「うつくしいまち(複数形)」というパフォーマンスになっていったのです。「うつくしい」という言葉は、美的な美しさだけでなく、そういった感覚や記憶を私たちに残してくれるものを意味しています。

 

―― 作品は、公演のその場で創るのですね。ライブ・パフォーマンスの醍醐味は?

 

これまでに城崎と水戸で公演していますので、作品の構成や内容について決まっている部分もありますが、それらが全く変わらないわけではありません。なぜなら、誠さん、くみこさんと長いこと会っておらず、その間、私たちはたくさんの新しい経験をしてなにかしら変化しており、それが自然と作品に反映されるはずだからです。公演はナマモノです。血の通った人間が集まって生まれるものですから、絶えず進化しています。私たちアーティストは、公演を通して、新しいストーリーを語りたいと思っています。

 

――公演に向けて埼玉県に1週間滞在し、そのインスピレーションをもとに作品を創るとのことですが、現段階で埼玉県について抱いているイメージはありますか。

 

彩の国さいたま芸術劇場には下見で一度うかがいましたが、劇場・施設に圧倒されました。そのとき車で秩父や富士見にも足を伸ばしたのですが、埼玉県はとても広いですね! 今度の滞在ではどんなところに行けるか、そこでの体験がどんな風に私たちの公演に反映されるか、お楽しみに!

 

子どもと“大きな子ども”に
会えることを楽しみに

 

――期間中にワークショップも開催されます。ワークショップを通して子どもたちに何を伝えたいですか?

 

子どもたちとのワークショップの時間は、私にとって非常に重要な位置を占めています。子どもたちに何かを教えるつもりはありません。遊びのような体験に巻き込むんです。そうして刺激を与え、凝り固まった思考から解き放ち、想像力を自由に羽ばたかせるのです。演劇や動作、遊びを使えば、絵は描けますよ。嘘だと思うかもしれませんが、本当です。ぜひ試しに来てください!

 

――ところで、モレッティさんは子どものころから美術は身近でしたか? また、影響を受けた人は?

 

幼い頃は、残念ながら芸術や音楽を嗜むような環境ではありませんでした。小さな農村のようなところに住んでいたので、そういった刺激を受けることは皆無に等しかったんです。でも、大都市で勉強する機会を得て、音楽や演劇にとても惹かれました。コンテンポラリーアートにも興味を持ちまして、特に影響を受けたのがアレクサンダー・カルダー*です。

 

――最後にメッセージをお願いします。

 

私たちの作品を見てくれる子どもたち、そして彼らを見守る家族のために創作することは大きな喜びです。子どもたちの視線はとてもフレッシュで、彼らのその瞬間を生きる好奇心、ある種の誠実さが、私にとって「もっと面白いものを見せてやろう!」というモチベーションになっています。子どもたちのための作品を長年作り続けていますが――そもそも子どもたちのための作品しか作っていませんが――私の作品自体は、遊び心があって、好奇心旺盛、そして、その瞬間に身を任せることを愛する“大きな子どもたち”のためでもあります。そんな皆さんと劇場でお会いできるのを楽しみにしています。

 


*“動く彫刻”としてモビールを生み出したアメリカの美術家。1898年生~1976年没。姓は「コールダー」と表記されることも。

 

(「埼玉アーツシアター通信Vol.81」より)


 

 

 テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ『うつくしいまち』 トレイラー(過去の公演より)

 

テアトロ・ムジーク・インプロヴィーゾ
『うつくしいまち』
2019年8月4日(日) 14:00開演(13:30開場)
彩の国さいたま芸術劇場 小ホール
公演詳細はこちら

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