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2018年4月1日

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団理事長竹内文則

2018年度を迎え、一言ご挨拶を申し上げます。

公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団理事長竹内文則

当財団は、彩の国さいたま芸術劇場竣工とほぼ同時に創設され、2018年で四半世紀の節目を迎えます。草創の10年は、日本で最高の舞台芸術鑑賞の場を提供するため世界トップアーティスト中心の招請公演を行ってきました。次の10年は、世界的演出家蜷川幸雄芸術監督の下、埼玉で創り世界に向けて舞台芸術作品を発信する創造する劇場となり、彩の国さいたま芸術劇場は世界的評価を頂ける存在になりました。そして、当劇場と埼玉会館の2館の管理・運営を行う指定管理者の指定を受ける現在、「第3の創業」として「芸術文化を通して地域・社会つくりに貢献すると共に、社会と人、人と人が繋がる広場機能」となることを目指します。言い換えますと私共劇場が提供する様々な芸術文化事業に皆様が参画して頂くことで、世代、バリアーを超えて人々が繋がり合う社会を創っていきたいのです。

そのために、以下3つを重点施策として取り組んで参ります。

第1は、彩の国さいたま芸術劇場は、「蜷川レガシー劇場」として世界的芸術発信を続けてゆきます。2016年に逝去された蜷川氏から薫陶を受けた吉田鋼太郎氏を彩の国シェイクスピア・シリーズ二代目芸術監督に迎え、演出第1作目となる『アテネのタイモン』公演を2017年12月に行い、極めて高い評価を頂きました。第2作目は『ヘンリー五世』を2019年2月に予定致しております。
また、蜷川氏縁の演出家による演劇を多角的に行い「演劇の殿堂さいたま」の地歩を更に固めて参ります。

第2は、芸術文化による地域づくりに貢献するとともに、今注目される社会包摂の役割を担うことです。現在、さいたま市ではマスタープランを策定して与野本町駅を中心に芸術のまちづくりを進めており、彩の国さいたま芸術劇場も地域づくりの核として全面協力していきます。2017年4月にリニューアルした埼玉会館は、前川國男(ル・コルビュジエの直弟子)建築の代表作として浦和の歴史と文化の担い手として発信し続けて参ります。蜷川氏が創り上げた高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」は、今までにない群像劇を生み出すだけでなく、元気で豊かな高齢社会の在り方を示し続けています。
また、成功を収めた『1万人のゴールド・シアター2016』(1600人の高齢者が参画した前代未聞の大群衆劇:全国知事会において高齢者の社会参画と地域活性化の優秀政策と評価される)を受け継ぎ、その出演者を中心に「ゴールド・アーツ・クラブ」を立ち上げ、ワークショップを開催するなど更なる演劇素養の研鑽に励みます。また、アクティブ・シニアの輪を世界に広げ世界3カ国から高齢者演劇・ダンスカンパニーを招請して皆が集う『世界ゴールド祭2018』の開催を9月に予定してします。更に、人気ダンスカンパニー「コンドルズ」主宰近藤良平氏の指導による障害者ダンスカンパニー「ハンドルズ」が彩の国さいたま芸術劇場を活動拠点に結成され(既に6作公演:県と共催)、2018年3月石川県金沢市から招請を受け初めての地方公演を実施し、今後は静岡県を予定する等、障がいのある方々の社会参画も進んできています。

第3は、日本を代表する公共劇場として芸術文化に関わる人財育成に努めます。若い世代に芸術の体験機会を提供するアウトリーチ事業「ミート・ザ・ミュージック」、「ミート・ザ・ダンス」や、海外アンサンブル招請公演時には若者向け楽器クリニックを予定しております。また、次代を担う俳優の卵である「さいたまネクスト・シアター」をはじめ、地元の大学や小・中・高校などと連携して芸術文化に関わる様々な人財育成に取り組むと共に、吉川市等市民劇団結成に注力する地方自治体にノウハウの提供や支援をすることで芸術文化の発展に貢献していきます。

これからもさいたまのみならず日本の財産と呼んで頂ける劇場になるよう、職員一同努めて参ります。 多くの皆様のご来場・ご利用を心からお待ちしております。

2018年4月1日

[プロフィール] (たけうち・ふみのり)

慶應義塾大学経済学部卒業後、1974年4月に(株)日本長期信用銀行入行。(株)長銀総合研究所の金融調査室長などを経て、2000年3月(株)日本長期信用銀行を退職。2000年4月から2015年3月まで富士常葉大學流通経済学部(現常葉大学経営学部富士キャンパス)教授となり、2004年4月から当財団理事長に就任。

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