2024年6月
17日(月)10:30/14:30/18:30
【問い合わせ先】 埼玉映画ネットワーク048-762-9407
※前売券なし・当日現金支払いのみ・全席自由・各回入替制・整理券制
◎14:30の回終了後に、アフターセミナーあり
ゴーリキーの名作戯曲にジャン・ルノワールが挑んだ傑作!どん底から出ていく男と、どん底へ落ちていく男の豪快な友情を、安宿に暮らす人々の群像のなかで描いた映画史上の名作。
ロシア文学を代表するゴーリキーの名作戯曲を、ルノワールが脚色して映画化。当時存命だったゴーリキーの許諾を得て、原作にはない、ギャンブルに狂った男爵がすべてを失い、安宿に暮らすようになるまでのエピソードを付け加えた。男爵が全財産を失う前夜に、その邸宅に忍び込んだ、親の代からの泥棒ペーペル。ふたりが出会い、意気投合することにより、物語は階級を越えた人間同士の友情へと鮮やかな色彩を帯びていく。
泥棒ペーペルを演じるのはジャン・ギャバン。男爵はルイ・ジューヴェ。ミュージック・ホールの芸人出身のギャバンに対し、フランス演劇界を代表する名優ジューヴェという、全く出自の異なる対照的なふたりの俳優が織り成す、演技のアンサンブルが素晴らしい。ジャン・ルノワール監督とジャン・ギャバンは、これが初めての顔合わせ。本作を起点に、『大いなる幻影』(1937)、『獣人』(1938)、戦後の『フレンチ・カンカン』(1954)と、卓越した名コンビとなっていく。
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ルノワールが、名作戯曲「どん底」を映画化したとき、原作者のゴーリキーは存命で、謎の死を遂げる直前だった。企画の始まりは、亡命ロシア人の映画製作会社アルバトロス・フィルムから、ルノワールに「どん底」の映画化が依頼されたことによる。その時点で、すでにザミャーチン(亡命ロシア人作家、代表作「われら」)とジャック・コンパネーズによる脚本はできていた。しかし、ルノワールは、シャルル・スパークとともに、没落する男爵が泥棒ペーペルと出会う前日譚を新たに書き加えた。そしてその脚色は、プロデューサーからソ連のゴーリキーのもとに送られ、「脚色の自由を信じている」という返信を得て、認められることになったという。
そもそも『どん底』をセーヌ川の支流、マルヌ川でフランス風に撮影するという思い切った試みには、当時、ゴーリキーの世界を綿密に再現しなかったと批判もされた。ルノワールは、1936年10月「シネモンド」誌インタビューでこう語る。「作品精神を裏切ったとは思いません。ロシアの紋切型から意図的に離れようとしました。モンマルトルのキャバレーのサモワール、バラライカなど流行りの「偽ロシア」ではなく、私はゴーリキーの考えを捉えようとしました。ロシア映画を撮ろうとしたわけではなく、ヒューマンドラマを作りたかったのです。」
半地下の暗く粗末な木賃宿に暮らす泥棒のペーペルは、ギャンブル依存症で破産の淵に立つ男爵の家に忍び込み、自殺寸前の男爵に見つかってしまう。しかし、ふたりは意気投合して、夜を徹してカードゲームに打ち興じる。破産してすべてを失った男爵は、再びペーペルの前に現れ、同じ木賃宿で暮らし始める。今の境遇を抜け出ることを夢見るペーペルは、がめつい家主コスティリョフの若い妻ワシリーサとの関係を清算し、彼女の妹ナターシャとの新生活を夢見ている。嫉妬したワシリーサは、役所の監督官がナターシャに惚れていることを知り、一計を案じるが・・・。
◎アフターセミナー
◇日時:2024年6月17日(月)14:30の回終了後
◇場所:埼玉会館 小ホール
◇ゲスト:まつかわ ゆまさん(シネマアナリスト)
日時 | 2024年6月 |
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会場 | 埼玉会館 小ホール |
作品情報 | 監督:ジャン・ルノワール 原作:マクシム・ゴーリキー 脚本:エヴゲーニイ・ザミャーチン、ジャック・コンパネーズ 出演:ジャン・ギャバン、ルイ・ジューヴェ、シュジー・プリム、ジュニー・アストル、ジャニー・オルト、ウラジーミル・ソコロフ、ロベール・ル・ヴィガン、ルネ・ジェナン 1936年/フランス/93分/白黒
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主催 | 特定非営利活動法人埼玉映画ネットワーク |
提携 | 埼玉会館 |
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料金 (税込) |
【全席自由】 |
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